大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和54年(ネ)1889号 判決

控訴人 更生会社日興観光株式会社管財人 井上隆晴

右訴訟代理人弁護士 森賢昭

同 中本勝

被控訴人 株式会社不動

右代表者代表取締役 吉田花子

右訴訟代理人弁護士 葛井重雄

同 葛井久雄

主文

一  原判決を取り消す。

二  被控訴人の請求を棄却する。

三  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

事実

一  当事者の求めた裁判

1  控訴人

主文と同旨の判決。

2  被控訴人

(一)  本件控訴を棄却する。

(二)  控訴費用は控訴人の負担とする。

との判決。

二  当事者の主張

1  被控訴人の請求原因

(一)  更生会社日興観光株式会社(以下「更生会社」という。)は、サンイーストカントリー倶楽部(以下「本件倶楽部」という。)というゴルフ場を経営、管理していたところ、昭和五一年四月一五日大阪地方裁判所で更生手続開始決定(同裁判所昭和五〇年(ミ)第八号)を受け、控訴人がその管財人に選任されて就任した。

(二)  被控訴人は、別紙目録記載のゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。なお、同目録記載の入会金預り証六通を「本件預り証」という。)を更生債権として届け出たが、控訴人は、昭和五一年一〇月二一日の債権調査期日に右届出債権の全部につき異議を述べた。

(三)  被控訴人の本件会員権取得の経緯は次のとおりである。

(1)(イ) 訴外梅本昌男(以下「梅本」という。)は、更生会社の前身である甲陽観光株式会社に対し多額の融資をしていたところ、その後同会社の全株式を譲り受け、商号を更生会社のそれに変更し、義弟の訴外吉井宏(以下「吉井」という。)を代表取締役に就任させたが、その後も実権を掌握してその経営に当たるなど、更生会社に対する多大の寄与、協力があり、更生会社は梅本に対し前記融資債務と右寄与、協力による報酬金債務合せて二〇〇〇万円を越える債務を有していた。そこで、更生会社は右債務の弁済に充てるため、梅本に対し本件預り証外一通(券面額合計一七五〇万円)を交付することとなり、梅本が、昭和四八年四月ころ、更生会社代表者吉井宏の名においてこれを発行し、みずからその交付を受けて本件会員権を取得した。

(ロ) 一方被控訴人は、梅本に対し、訴外姫嶋助成(以下「姫嶋」という。)を連帯保証人として、ゴルフ場の造成、運営資金二二〇〇万円を貸し付けていたところ、昭和四九年一一月七日、右貸金債権の弁済に代えて、若しくはその担保として梅本から本件預り証外一通を譲り受け、梅本の使者である姫嶋からその引渡を受けて本件会員権を取得した。

(2) 仮に、そうでないとしても、更生会社は、前同日被控訴人に対し、本件預り証外一通の券面額に相当する一七五〇万円の債務のあることを承認して、その弁済に代えて、右預り証を発行し、被控訴人はその引渡を受けて本件会員権を取得した。

(3) 仮に、更生会社の本件預り証の発行がその原因を欠くとしても、右預り証は、ゴルフ場の優先利用権及び預託金返還請求権を表章する有価証券と解すべきところ、前記のとおり、更生会社の実権を掌握し適法な発行権限を有する梅本が、みずからこれを作成し、かつ、その交付を受けることによって流通に置き、被控訴人が、梅本の使者である姫嶋からその引渡を受けたのであるから、被控訴人は、これにより本件会員権を善意取得したというべきである。

(四)  本件会員権の取得については、本件倶楽部理事会の承認を要するところ、被控訴人はまだその承認を得ていないから、更生会社に対し、その承認を条件とする右会員権を有する。

(五)  よって、被控訴人は、その旨の確認を求める。

2  控訴人の本案前の抗弁

更生債権確定訴訟においては、更生債権者はその債権届出に基づく更生債権者表に記載された事項についてのみ権利確定の訴を提起しうるところ、被控訴人は、本件倶楽部理事会の承認という条件にかからしめない本件会員権そのものに基づく更生債権を届け出てその旨更生債権者表に記載されたのであるから、右条件付権利の確定を求める本訴は不適法というべきである。これを実質的にみても、管財人が異議を述べた会員権について理事会が承認するようなことは考えられないし、もとより理事会がその承認の義務を負うものでもないから、右承認を条件とする会員権の確定なるものは、結局、循環論法に帰し、本末転倒といわなければならない。

3  控訴人の、請求原因に対する認否及び主張

(一)  請求原因(一)、(二)の各事実は認める。

(二)  同(三)の(1)の事実中、被控訴人が梅本に対しその主張のような貸金債権を有していたことは不知、その余の事実は否認する。

同(2)、(3)の各事実も否認する。

(三)  同(四)の事実中、被控訴人が更生会社に対しその主張のような条件付会員権を有することは否認し、その余の事実は認める。

(四)  主張

(1) 梅本が更生会社に対し所定の入会金を預託した事実はなく、理事会の承認及び同人名義の会員登録もなされていないから、同人が有効に本件会員権を取得したことを前提とする被控訴人の主張は理由がない。右のとおり梅本と更生会社との間に本件預り証に該当する実体関係の存在しないことは、本件倶楽部のような預託金会員組織のゴルフ倶楽部の通常の入会金預り証には明記されている名あて人(会員名)及び記号番号が白地であることからもうかがい知られる。

のみならず、本件倶楽部の会員権を有効に譲り受けるためには、単に入会金預り証の交付を受けるだけでは足りず、被控訴人も自認するごとく理事会の承認を受けることが必要であり、そのうえで会員登録がなされなければならないところ、被控訴人が梅本から本件会員権を譲り受けたといっても、右の手続を経ていない以上、これをもって更生会社に対抗できないことは明白である。

(2) 被控訴人が本件会員権につき更生会社に入会金を預託したことはなく、また両者間に金銭の貸借関係その他預託金の入金があったのと同視すべき法律関係もなかったのであり、被控訴人は、姫嶋若しくは同人が代表者である姫嶋鋲螺株式会社に対して金銭を貸し付け、その貸金債権を一本化するに際して、担保として本件預り証を取得したにすぎない。そして、梅本は、被控訴人が右預り証を受領した昭和四八年四、五月ころはもとより、代表弁済の申出を受けた昭和四九年一一月初めころも、更生会社の代表権限を有しておらず、被控訴人も同人を更生会社の代表者とは認識していなかったのであるから、更生会社が被控訴人に対しその主張の債務負担行為をしたものと解する余地はない。

(3) 預託金会員組織のゴルフ倶楽部の入会金預り証は、被控訴人主張の権利のみならず年会費納入等の義務をも含む一個の契約上の地位を表章するものであり、その会員が権利行使する場合、右預り証を所持することが必須の要件となるものではないし、その反面、ゴルフ場会社が、右預り証の所持者に対し、ただそれだけの理由で会員としての施設利用を認めることもありえず、したがって、右預り証は、単なる証拠証券にすぎないから、これが有価証券であることを前提とする被控訴人の善意取得の主張は理由がない。

4  被控訴人の、控訴人の本案前の抗弁に対する認否及び反論

控訴人の本案前の抗弁は争う。

本件倶楽部理事会は、更生会社とは全く別個の立場から、会員資格取得申込者の人物、品格、社会的地位などを総合してその適格性を審査し、相当と認める者について承認を与えるのであるから、管財人が異議を述べたからといって、理事会が当然にその承認を拒まなければならないものではないし、また被控訴人が本件預り証を取得した当時においては、理事会は現実に機能しておらず、梅本の専決で入会金の取得、会員登録等がなされていた以上、理事会の承認が現になされていないからといって、これを条件とする被控訴人の会員権の取得までも否定することは、管財人の公正な立場と相容れない。

5  被控訴人の、控訴人の前記主張に対する反論

(一)  前記3の(四)の(1)の主張事実は争う。

理事会の前記のような実態にかんがみると、本件預り証の発行に際してのその承認手続は不要であったというべきであるが、これが必要であったとしても、更生会社の代表取締役の代表権に加えた制限であるから、その欠缺をもって被控訴人のような善意の第三者には対抗できないし、また右預り証のように、更生会社がゴルフ場の造成、運営のための資金調達に関して発行した入会金預り証の多くは、その取得者からの将来の会員登録請求に備え、本件預り証と同様、名あて人及び記号番号が白地とされており、更生会社は、これについて理事会の承認を経ることなく登録請求に応じていたものである。

(二)  同(2)、(3)の各主張事実は争う。

三  証拠関係《省略》

理由

一  請求原因(一)、(二)の各事実は当事者間に争いがない。

二  そこでまず、控訴人の本案前の抗弁について検討するに、右当事者間に争いのない事実及び弁論の全趣旨によれば、更生債権者表に記載された被控訴人の更生債権の内容及び原因は、本件倶楽部理事会の承認という条件の付されていない本件会員権そのものであることがうかがわれるが、理事会の承認といっても、それは後記のとおり右会員権取得の一要件であり、これを条件とするからといって、更生債権者表に記載された権利との同一性を欠く別個の権利となるものではないから、本訴が会社更生法一五〇条の趣旨に抵触する不適法な訴であるとはいい難く、右主張は採用の限りではない。

三  そこで次に、本件会員権の取得に関する被控訴人の主張について判断する。

1  被控訴人は、更生会社は、梅本に対する借入金債務及び報酬金債務の弁済に充てるため同人に本件預り証外一通を交付し、これを取得した梅本が被控訴人に対し、梅本の被控訴人に対する借受金債務の弁済に代えて譲渡したものであり、仮にそうでないとしても、更生会社は、被控訴人に対し一七五〇万円の債務のあることを承認し、右債務の弁済に代えて右預り証を被控訴人に交付し、被控訴人が本件会員権を取得したものである旨主張し、原、当審証人梅本昌男の証言中には右前段の主張に沿うような供述部分がある。

しかし、前記当事者間に争いがない事実並びに《証拠省略》を総合すると、

(一)  更生会社(旧商号・甲陽観光株式会社)は、ゴルフ場の造成及びその経営、管理等を目的として昭和四六年八月に設立され、昭和四八年一月右のとおり商号変更したのち、昭和四九年一一月末ころ本件サンイーストカントリー倶楽部というゴルフ場を開場するに至ったのであるが、同倶楽部入会の手続は、更生会社に入会申込書を提出し、理事会の承認を得たのち、同会社に所定の入会金を預託して会員の資格を取得し、会員証書及び預託金(入会金)預り証の交付を受けることとされ、会員権を有する者は、ゴルフ場施設を優先的に利用する権利及び三年の据置期間後は右預託金の返還請求権(ただし、預託金には利息、配当等は付さない。)を有し、理事会の承認を得て会員権を他に譲渡してその名義を変更することができるが、会員資格を有する間は、年度開始前に年会費を前納することを要し、その未納がある場合には、これを右返還金額から控除すべきものとされていたこと。

(二)  梅本は、昭和五〇年二月更生会社の代表取締役に就任したものであるが、これより先、昭和四七年ころ同会社の発行済株式の大部分を取得し、またこれに融資もして、自己が代表取締役に就任する直前に義弟の吉井がその地位にあった間も、更生会社の実質的な経営に当たり、本件倶楽部の会員を募集してゴルフ場の造成、運営資金を調達するため、更生会社から、施工業者の太平工業株式会社に報告したうえで入会金預り証、会員証書を限定的に発行することの許諾を得ていたが、その一方で、同会社の社印及び代表取締役印をみずから保管し、また昭和四八年八月ころまでは同倶楽部理事会が設置されていなかったところから、右のような正規の方式によらず、個人的なメモに控えたのみで、右印章を冒用し、権限なくして入会金預り証等を濫発するようになったこと。

(三)  ところで、梅本は更生会社以外にも相当手広く会社を経営し、昭和四六年ころ、姫嶋ないし同人が代表者に就任している姫嶋鋲螺株式会社の保証を得て被控訴人から事業資金を借り入れ、その金額は昭和四七年五月ころには約二二〇〇万円に達し、返済に迫られていたところ、昭和四八年三月ころ、前記のとおり正規の方式によらない入会金預り証の最初のものとして、名あて人(会員名)及び記号番号の各欄を空白にしたままの更生会社代表者吉井宏名義の本件預り証(甲第一ないし第六号証)外一通(券面額合計一七五〇万円)を作成し、同年四、五月ころ、被控訴人との間で、将来右預り証が売却処分できた場合にはその代金をもって右借入金債務の弁済に充てる約旨で、右債務の担保とすべく、これを姫嶋を通じて被控訴人に交付したこと。

(四)  しかし、右ゴルフ場の開場を目前にした昭和四九年一〇月末ころ姫嶋が倒産し、前記貸借に関して振り出されていた手形の決済が危ぶまれるに及んで、同年一一月ころ、梅本若しくはその代理人である姫嶋は、被控訴人に対し、前記借入金債務の弁済に代え、先に交付した本件預り証外一通を換価処分してもらいたい旨申し出、被控訴人は、これに応じてその処分を図ったが、右一通を他に売却し、その取得者において会員登録を了したのみで、本件預り証はそのまま被控訴人の手もとに残ったものであり、被控訴人が右預り証を取得するにあたり、更生会社に対し入会金を預託したり、本件倶楽部理事会の承認を得たようなことはないこと。

以上の事実が認められ(る。)《証拠判断省略》

したがって、被控訴人が本件会員権を承継取得したものでないことは明らかである。

なお、被控訴人は、本件倶楽部理事会の承認を条件とする本件会員権取得の主張をするので、更に検討してみるに、本件預り証の発行、取得にあたり、梅本ないし被控訴人において右承認を得た事実がないことは前記認定のとおりである。そして、《証拠省略》によれば、本件倶楽部は、更生会社が経営するゴルフ場及びその附属施設を利用して健全なゴルフの普及、発達に努めるとともに、会員の親ぼくを図る社交機関たることを目的とするものであるが、会員総会その他会員の意思決定機関や固有の財産に関する事項については会則になんらの定めもないことが認められるから、同倶楽部は、それ自体独立して権利義務の主体となるべき社団の実体を有しているものとは認め難いけれども、その目的等にかんがみると、同倶楽部理事会の承認の趣旨とするところは、原審証人杉原隆生も証言するように、倶楽部の雰囲気、品位、技術的水準の維持等を図るべく、理事会において入会希望者の個人的な適格性の有無を審査することにあるものと認められ、その会員権は、右のような理事会の承認と更生会社に対する入会金の預託を経て成立する預託金会員組織のゴルフ会員権であって、ゴルフ場施設の優先的利用権、預託金返還請求権及び年会費納入等の義務を包含する債権的法律関係をその内容とする会員と更生会社との間の契約上の地位にほかならないものと解するのが相当である。そうだとすれば、いま入会希望者が本件倶楽部理事会の承認を得ることなく更生会社に対して入会金を預託し、更生会社の権限ある者から入会金預り証の発行を受けたという場合を考えてみると、その者は、いまだ更生会社に対する関係で会員としての前記契約上の地位を確定的に取得してはいないが、右承認のあることを条件として会員としての地位を確定的に取得しうべき期待権ないし条件付権利を有し、これが更生債権ともなりうる筋合である(会社更生法一一八条)。しかしながら、本件にあっては、前記認定のとおり、梅本が権限なくして更生会社代表者名義で本件預り証を発行し、被控訴人に対し自己の債務の担保としてこれを交付し、のちにその換価処分の権限を被控訴人に委ね、代物弁済に供したものであって、梅本ないし被控訴人が更生会社に対し本件預り証に該当する入会金を預託したような事実もなく、また右入会金の預託がなされたのと同視すべき関係が存在したものとも認め難いから、本件預り証に係るゴルフ会員権については、前記承認を待つまでもなくその成立の余地がないものというべく、被控訴人が前記認定のような経緯でこれを所持するに至ったからといって、更生会社に対し、その主張のような条件付権利としての本件会員権を取得するに由ないものといわなければならない。したがって、被控訴人の前記主張は採用することができない。

2  そこで次に、被控訴人の善意取得の主張について考えてみるに、本件倶楽部の会員権の内容にかんがみると、それ自体、譲渡性を有する財産的価値ある権利ないし法律上の地位であるというべきであり、前掲の甲第一ないし第六号証を検すると、本件預り証の表面には、「金二五〇万円也。右金額はサンイーストカントリー倶楽部の入会金として会則によりお預りし、会員であることを証し、預り証を交付します。この入会金は本証発行日並びに譲渡日より三か年据置として以後はご請求により本倶楽部会則に基づいて本証と引換にご返却します。この場合会員の資格を喪失します。本入会金には利息及び配当金並びに利殖金はつけません。本証は倶楽部の承認がないと譲渡又は質入等一切することは出来ません。」との記載があり、その裏面には、譲渡に伴う登録年月日、取得者の記名及び押印、会社の証印の各欄が設けられていることが明らかであって、これによれば、右預り証は、裏書、交付の方法により転々流通することを予定して発行されたかのようにみえる(なお、右預り証のほか、会員証書が発行されたことを認めるに足りる証拠はない。)。

しかし、右預り証に表章された権利ないし法律上の地位は、前記のとおり、預託金会員組織のゴルフ会員権であって、それは、ゴルフ場施設の優先的利用権、預託金返還請求権のほか、年会費納入等の義務も包含した、個々の会員と更生会社との間の債権的法律関係にほかならず、その譲渡のためには、ゴルフ倶楽部という集団ないしその構成員の利益保護を図るため、理事会の承認を要するものとされ、その旨預り証にも明記されているうえ、右譲渡には義務も伴っているのみならず、指図文句(特定の者又はその指図人を権利者とする旨の文言)の記載もないこと等からすれば、本件預り証は、右会員権について高度の流通性を予定してこれを表章し、かつ、その所持人を当然に権利者と認める趣旨の証券として発行されたものとは解し難いし、また、右預り証には、前記認定のとおり、これと引換に預託金を返還する旨記載されているけれども、更生会社は、もともと会員資格を有する者に対しては預託金の返還義務を負っているものであって、右の引換文言は、その預託金返還の場合における手続を記載したものにすぎず、右資格を有しない者がこの預り証を取得して更生会社に対し預託金返還請求権を行使した場合にもこれに応ずる趣旨であるとは認められないし、他に本件倶楽部会員権の移転、行使に右預り証が当然に必要であると解すべき根拠資料も見い出しえない。したがって、本件預り証をもって商法五一九条所定の有価証券であると解することは困難というほかはなく、その他これが被控訴人主張の善意取得の対象となるべき有価証券であることを認めるに足りる証拠はないから、被控訴人の右主張もまたその余の点について判断するまでもなく採用し難い。

四  以上の次第であってみれば、被控訴人の本訴請求は、失当として棄却を免れず、これを認容した原判決は不当であって本件控訴は理由があるから、民訴法三八六条によってこれを取り消し、右請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき同法九六条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 島﨑三郎 裁判官 高田政彦 篠原勝美)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例